こんにちは! スポーツメンタルコーチ 増田良子です。
私は、アスリート及びアスリートのお子さんを支える保護者の方々のサポートを行っております。
また、部活動などの団体競技のサポートも発達段階に応じて行っております。
誰かを下げて、自分の評価を上げようとする。
そんな子どもの言動に、違和感を覚えたことはありませんか?
実はその背景には、「自信のなさ」「未熟な承認欲求」など、子どもなりの心のSOSが隠れていることが多いのです。
この記事では、心理学や脳科学の知見をもとに、子どもが他人を下げたくなる理由と、それに対して親がどう関わればよいかを解説します。
なぜ、他人を下げて自分を上げようとするの?
自己評価が安定していないから
子どもは、まだ「自分がどんな人間か」を言葉にしたり、冷静に見つめたりする力が発展途中です。
とくに小学生のうちは、他人との比較を通して自分の立ち位置を探る時期。
だからこそ、「あの子よりはできている」と感じられることで、安心したくなることがあります。
逆に、周りがすごく見えると「自分はダメなんじゃないか」と不安になってしまい、その不安を隠すために他の子を下げる言葉が出てしまうこともあるのです。
これは自分の価値をまだうまくつかめていないサインでもあります。
「誰かより上か下か」ではなく、「昨日の自分と比べてどうだったか」という視点に、少しずつ目を向けられるよう、親の声かけが大切になってきます。
未熟な承認欲求のあらわれ
誰かを悪く言うことで、自分の評価を上げようとする行動は、未熟な承認欲求のあらわれとも言えます。
子どもは本来、「自分の存在を認めてほしい」「価値ある人間だと感じたい」と願って成長します。
これは健全な欲求ですが、まだ言葉の使い方や表現方法が未熟なうちは、「誰かを下げることで自分を上に見せる」ような方法を選んでしまうことがあります。
これは、自分の努力や存在そのものでは認められないという不安が背景にある場合も。
自信がないときほど、他者との比較や評価に過敏になりやすく、「自分よりできない人」を見つけて安心しようとする心の動きが働くのです。
こうした行動は、一時的に自分を守る術かもしれませんが、長い目で見ると「他者を見下さないと自分の価値を感じられない」という思考のクセにつながってしまいます。
大切なのは、その裏にある認めてほしいという気持ちに寄り添うこと。
否定せず、「どうしてそう言いたくなったのかな?」「あなたのどこがよかったと思ってるの?」と、少しずつ内面に目を向ける習慣へと促していくことが、健全な承認欲求の育ちに繋がります。
「すごいね!」「がんばったね!」と認めてもらいたい
これは誰にでもある承認欲求です。
ただ、子どもはその表現方法が未熟であるため、「相手を下げることで、自分を上げる」という歪んだ形で表れてしまうことがあります。
大人の言動がモデルになっていることも
子どもは、大人が思っている以上に、親の言葉やふるまいをよく見ています。
たとえば、テレビを見ながらの一言
「なんであの人、あんなミスするの?」
スーパーの駐車場でのぼやき
「ほんと運転下手な人ばっかり💢」
こうした何気ないセリフも、子どもはしっかり耳にしています。
そして「他人を下げて話すのって普通なんだ」「そうすれば自分の立場を保てるんだ」と無意識に学んでしまうこともあるのです。
これはしつけとして何を教えたかよりも、親の普段の姿勢から学び取る「非言語の教育」とも言えます。
もちろん、完璧な親になる必要はありません。
大切なのは、「あっ、今の言い方よくなかったかな」と振り返る力を持ち、
その姿を、子どもと一緒に「人として成長していく姿」として見せていくことです。
責めずに、どう声をかけたらいい?
感情的に叱る前に、まず「背景」を見つめて
「そんなこと言わないの!」と頭ごなしに叱るのではなく、なぜその子はそう言いたくなったのか?に目を向けてみましょう。
多くの場合、根底には「自信のなさ」「不安」「失敗したくない気持ち」などがあります。
まずは、子どもの気持ちを守ってあげる姿勢が大切です。
実際の声かけはどうすればいい?
子ども〇〇ちゃんって下手だよね。私の方がマシ!



そういうこと言っちゃダメでしょ!!
これだと、子どもは自分が責められていると感じ、本音を言いづらくなってしまいます。



〇〇ちゃんって下手だよね。私の方がマシ!!



例1)あなた自身はどうだったと思う?



例2)頑張ったところ、工夫したところを教えて



例3)〇〇ちゃんのことより、あなた自身のいいところを見たいな
これらの声かけは、「他人と比べない自分自身の価値」に目を向ける習慣を育ててくれます。
親の褒め方・見方も見直してみよう
「結果」ばかり褒めていない?
「勝ったからすごいね」「1位でよかったね」といった声かけだけを続けていると、
子どもは「結果が出ないと認められない」と思い込んでしまいます。
報酬や評価に依存した関わりは、子どもの内発的動機を弱めてしまいます。
「楽しいからやる」「好きだからやる」だったはずの行動が、
報酬(褒められる)がなければやらない、報酬が見込めないとやる気が出ないなど
行動自体が苦痛になったり、行動することへの喜びが失われたりしてしまうのです。
「プロセス(過程)を承認する言葉」にシフトしよう
あきらめずに最後までやり切ったね!
工夫してやっていたの、ちゃんと見ていたよ
前よりも考えながら動けていたね!
このように、行動の中身や姿勢を言葉で認めることが、
「他人との比較ではなく、自分の中の成長」に気づく力を育ててくれます。
他人を下げる言動の奥にある「心」を見つめて
- 子どもが他人を下げる言動をする背景には、「自信のなさ」や「認められたい気持ち」がある
- 感情的に叱るのではなく、本音を話せる関係を大切に
- 「誰かより上」ではなく、「昨日の自分より今日の自分が好き」と思える関わりを
- 結果ではなく、過程や工夫、気持ちの部分を丁寧に言葉にして伝えることが、自己肯定感を育む
子どもが誰かを下げるような言葉を言ったとき、
その奥にある「わたしを見て」「認めてほしい」のサインを受け取ってあげてください。
今日から、ぜひ意識してみてくださいね。
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スポーツメンタルコーチング
スポーツメンタルコーチ 増田良子は主にアスリートの保護者や、アスリート本人、そしてスポーツチームなどへのコーチングを、脳科学や心理学に基づいて行っています。



親が変われば子どもが変わります!!
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