からの巣症候群とは?母親が感じやすい喪失感の正体と今からできる3つの備え

こんにちは! スポーツメンタルコーチ  増田良子です。

私は、アスリート及びアスリートのお子さんを支える保護者の方々のサポートを行っております。
また、部活動などの団体競技のサポートも発達段階に応じて行っております。


春からの新生活の準備が始まる時期は、子どもだけでなく、親にとっても環境の変化を感じやすい季節です。

入学、進学、就職、一人暮らし。
節目の形はそれぞれ違っても、子どもが少しずつ親の手を離れていく時期は、思っている以上にあっという間にやってきます。

そんなとき、親は心にぽっかり穴が空いたような感覚を抱くことがあります。

今回は、「からの巣症候群」とは何か、そしてその時のために今からできることについてお伝えします。

目次

からの巣症候群とは

「からの巣症候群」という言葉を、耳にしたことがある方も多いかもしれません。

からの巣とは、ヒナが巣立った後の空っぽになった巣のことです。
そこから転じて、子育てを終えたあとに、何に対してもやる気が出ない、気分が落ち込む、涙が出る、心に大きな喪失感を抱えるといった状態を指して使われます。

一般的には、子どものことを優先して長年頑張ってきた母親に多く見られると言われています。

「子どものため」を優先して生きてきた時間が長いほど、いざ子どもが巣立ったときに、自分が何をしたいのかわからなくなってしまうことがあります。
自分は何のために生きているのだろう、と自分の存在価値がわからなくなるような感覚になる人もいます。
これまでと変わらない生活を送っている夫に腹が立ったり、孤独感が強くなったりすることもあります。

感じることは人それぞれですが、心だけでなく身体に症状が出ることもあります。
慢性的なだるさ、息苦しさ、頭痛、吐き気などを感じる人もいます。

子どもが大きくなって手が離れたら、あれをしよう、これもやってみようと思っていたはずなのに、実際には喪失感のほうが大きく、心に穴が空いたようになってしまう。
何かを始める気力すら湧かなくなる。

そんな状態になることもあります。

そのため、からの巣症候群は、母親の燃え尽きのような状態として語られることもあります。

からの巣症候群になりやすい人の特徴

もちろん、誰もなりたくてなるわけではありません。
そして、特別な人だけがなるものでもなく、誰にでも起こり得るものです。

そのうえで、比較的なりやすい傾向として、次のような特徴が挙げられることがあります。

・子育てが生きがいになっている
・人付き合いがあまり得意ではない
・家の中で過ごすことが多い
・趣味や楽しみが少ない
・夫婦関係がうまくいっていない

子どもの成長はもちろん喜ばしいことです。
ですがその一方で、心のどこかに「ずっと自分が世話をしたい」「守っていたい」という気持ちが強くあると、子どもの自立を喜ぶ気持ちと、離れていく寂しさの間で大きく揺れやすくなります。

からの巣症候群を防ぐために今からできること

からの巣症候群は、子どもが巣立った瞬間に突然始まるものではありません。
子どもの巣立ちをきっかけに、これまでの積み重ねが表面化することがあるのです。

子育ての最中から、少しずつ心の準備をしておくことが予防につながります。

ここでは、今からできる3つの備えをお伝えします。

1.自分と子どもの間に適切な境界線を持つ

小さい頃は、手をかけ、目をかけ、たくさんのことを教えながら育ててきた子どもも、やがて自分の足で立ち、自分の意思で選び、進んでいくようになります。

「親から見たら何歳になっても子どもは子ども」と言います。それは確かにその通りです。
困ったときには助けたいし、誰よりも味方でいたい。
その気持ちはずっと変わらないでしょう。

でも、それと、子どもの人生を親が抱え続けることは別です。
子どもが親の手を離れ、自分で経験し、悩み、考えながら生きていくのは、とても自然なことです。

このときに親子の境界線があいまいなままだと、必要以上に干渉してしまいやすくなります。
それは子どもの自立を妨げるだけでなく、親自身も「子どものために頑張ること」だけが自分の役割になってしまい、子どもが巣立ったあとに自分を見失いやすくなります。

子どもに必要とされることだけに自分の価値を感じるようになると、心のバランスは崩れやすくなります。
子どもが喜べば自分も安心し、子どもが落ち込めば自分も必要以上に引きずられる。
そんなふうに感情が強く結びつきすぎると、親自身がとても苦しくなってしまいます。

だからこそ、子どもと親は別の人間であることを、あらためて意識することが大切です。
大切に思うことと、抱え込みすぎることは違います。
近くで見守りながらも、少し引いた視点で子どもを見ること。
そして、自分自身の気持ちや人生にも目を向けること。その両方が必要です。

2.子どものこと以外に夢中になれるものを持つ

子育て中から、子どものこと以外にも気持ちを向けられるものを持っておくことは、とても大切です。

それは大げさなものでなくてかまいません。
パン作りでも、ガーデニングでも、読書でも、簡単な運動でもいいのです。
自分のために楽しめる時間や、少し心が弾むことがあるだけでも違います。

夢中になれる対象が子どもだけだと、その存在が日常から離れたときに、心まで空っぽになりやすくなります。
だからこそ、子どもとは別に、自分の世界を持っておくことが大切なのです。

もし今、趣味がないと感じるなら、これまで忙しくてできなかったことや、昔やってみたかったけれど諦めていたことを思い出してみてください。
子育てがひと段落してから始められることは、意外とたくさんあります。

友人と旅行に行く。
仕事を始める、または働き方を見直す。
ボランティアをする。
テニスやゴルフなど、新しい運動を始めてみる。
どれも立派な一歩です。

おすすめなのは、「これからやってみたいこと」を書き出してみることです。
頭の中で考えるだけよりも、言葉にして見える形にすると、自分の人生をあらためて前向きに眺めやすくなります。

ちなみに私は昨年からSUPとサーフィンを新たに始めました。
最初からなんでもうまくいく人はいません。
できないことがあっても楽しめるようになると、世界は広がっていきます。

3.子どもが巣立った後の暮らしを想像しておく

年齢を重ねていけば、子どもが巣立つ日は必ずやってきます。
だからこそ、その日が来たときにどんな生活をしたいかを、少しずつ思い描いておくことも大切です。

夫婦仲が良いなら、これから先に二人でやりたいことを話してみるのもいいでしょう。
旅行に行きたい場所でもいいですし、老後の暮らし方でもいいと思います。

一方で、夫婦二人の生活を前向きに想像できない場合もあるかもしれません。
そういうときは、無理に理想の形を描こうとする必要はありません。
これから自分はどんなふうに暮らしていきたいのか、自分の人生として考えてみることが大切です。

子育てが終わったあと、自分はどんな毎日を送りたいのか。
どんな時間を大切にしたいのか。
どんな人と関わっていたいのか。

そこを少しずつ考えておくことで、子どもが巣立つことが「終わり」ではなく、「自分のこれからの始まり」として見えやすくなります。

からの巣症候群かもしれないと感じたときの対処法

もし今、「もしかしたら自分もそうかもしれない」と感じているなら、まずはその気持ちを否定しないでください。

寂しい。空っぽな感じがする。何もしたくない。涙が出る。
そんな自分を責める必要はありません。泣きたいときは泣いていいのです。

寂しさがあるのは、それだけ真剣に子育てに向き合ってきた証拠でもあります。
全力で子どもと向き合ってきたからこそ、起きる感情です。

だからまずは、子育てを頑張ってきた自分を認めてあげてください。
そして、ほんの少しでいいので、自分のためにできることを探してみてください。
朝、外に出て深呼吸する。好きなお茶を飲む。誰かに話を聞いてもらう。
そんな小さなことからで大丈夫です。

気分の落ち込みが長く続く、日常生活に支障が出ている、身体症状が強いという場合は、一人で抱え込まず、医療機関や専門家に相談することも大切です。
心の不調は、気合いでどうにかするものではありません。
助けを求めることも、自分を大切にする行動のひとつです。

子どもの自立は、親が自分の人生を見つめ直す機会でもある

子どもが巣立つことは、寂しいことでもありますが、決して悪いことではありません。
それは、子どもが自立し、自分の力で人生を歩き始めた証です。

そして同時に、親にとっても、自分の人生をあらためて生きるタイミングなのだと思います。

子どもを大切にすることと、自分の人生を大切にすることは、矛盾しません。
むしろ、親が自分の人生を大切にしている姿は、子どもにとっても大きな安心につながります。

子育てを頑張ってきたからこそ、これからは自分自身の時間や人生にも、やさしく目を向けていきたいですね。

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